2018.03.26ピックアップ

これからの電源供給が変わるかもしれないUSB PDとは

USB PD

USB PD(PowerDelivery)という言葉をお聞きになられたことはありますか。
簡単に言うとこれまでのUSBに比べて、大きな電力の供給ができるというもので、これから普及が進む可能性がある今注目の電源供給の規格です。

今使っているUSBで十分だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、USBを電源とした機器が増え、それに伴い大きな電力が必要となる機器も増え始めています。スマートフォンやタブレットなど、USBを使って給電や通信を行うことは今となっては当たり前ですが、以前はそれぞれ異なる形状の電源端子が必要であったり、電圧なども違っていました。そのため、ACアダプタを使い回すことができず、いくつも持ち歩く必要があったり、紛失してしまうとすぐに同じものが用意できなかったり、メーカーも機器ごとに合うものを作らなければいけませんでした。

USBの登場

そこで登場してきたのが、USBです。USBから電力を供給できることから、最近ではかなりの機器でUSBが使えるようになっており、機器ごとにケーブルを揃える必要がなく、USBケーブル1つを使い回せるようになりました。

USBで充電できる電力は、USB 2.0で2.5W、USB 3.0で4.5W、USB BC(Battery Charging)1.2で7.5Wまでの電力を供給でき、これまではそれで十分でした。しかし、デジタル機器が増えその中には大きな電源を要するものもあります。そのため、この電力だとスマートフォンやタブレット端末には使うには問題ありませんが、ノートパソコンやディスプレイモニターといった大きな電力を必要とする機器には、これでは十分と言えませんでした。

広く普及したUSBからUSB PDへ

そこで2012年頃に登場したのが、この「USB PD」です。

USB PDはUSB Type-Cポートを使って機器間で給電と受電を行うのですが、前述したように、20V5A、100Wまでに対応しています。また、「USB PD 2.0」で「パワールール(Power Rules)」が設けられ、5V3A、9V3A、15V3A、20V3A、20V5A、と給電する基準値が5段階で決められています。

現在、USB PDは「USB PD 3.0」という版数になっており、接続される機器同士で認証動作を行うなど、大きな電力を安全に受け渡し出来るような機能が実装されてきています。

さらに、ホストとクライアントどちらの方向からも電力供給が可能になる「ロールスワップ(Role Swap)」も魅力の一つ。これによって、供給側と受給側を簡単に入れ替えることができます。例えば、パソコンと外付けのハードディスクを繋ぐ場合、パソコンからハードディスクを給電していても、この機能でハードディスクからパソコンへ給電をするように入れ替えることができます。

このように便利なUSB PDですがその先端性と非常に複雑な規格故に当初はAppleのMacbookを始めとした一部のノートパソコンでしか採用されていませんでした。しかし現在では、大手メーカーのAndroidスマートフォンなどへTYPE-Cポートの搭載が進んでいることで、今後はUSB PDの普及がさらに加速されると期待されています。

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